喫茶冬景色
 
そう言うのもある意味、天から与えられた才能みたいなものだなって思うよ。
 
茫然としている俺に
 
「・・・?」
 
「あれ、お父さん。」
 
彼女はボソッと言ったんだ。
 
「え?お父さん?」
 
見た目がさ、見た目がさ。父って言うか、遊び人? 
 
お父さん?お父さん?お父さん?え?お父さん?先生!お父さんって何ですか?って聞きたかったね。
 
「ねぇ、お父さんって何してる人?」
 
「わかんない。夏はサーフィンしてる。」
 
趣味でか?仕事でか?聞きたいことは多々あったけど、サーファーパパが家を追い出され出て行くところを目の当たりにした俺はなんだか、胸がいっぱいで
 
「そう。」
 
としか言えなかった。
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