喫茶冬景色
いつもの事?いつも父親が母親に家を追い出されるのか?
なんて家だ。
「お母さん。お母さん。」
彼女は開きっぱなしのドアの隙間から奥にいる噴火しきった火山に向かって言った。
「友達と遊びに行って来る!」
俺も、恐る恐る奥の方を見るとひっそりと暗い部屋にひとりしゃがみ込む人の姿が見えた。
それがさっきまで金切り声を張り上げていた張本人だった。
俺、かなり腰が引けてたんだけど、そのときの彼女の母さん落ち着いていてなんだか泣いているように見えた。
「あっ・・・。」
目が合った。少しだけ頭を下げると向こうも頭を下げた。