喫茶冬景色
考えすぎ?
 
でも、そんな感じがしてたんだ。
 
「鈴木、大変なんだな。」
 
そう言いながら俺は胸を押さえてた。

なんだか、胸が痛い。
 
痛いんだ。
 
なにか彼女にしてあげれないかずいぶん考えてたと思う。
 
でも、
 
「・・・。」
 
彼女は大丈夫、大丈夫を繰り返した。
 
そんな彼女の姿に飽きが来ないかったのは何でだろうな。
 
可哀そうだったのかもね。
 
このとき俺、気がついたんだ。
 
コイツと普通に会話しているなって。
 
本当なら女子との会話ガチガチになってるはずなのに、なんか、嬉しかった。
 
手の平がじんわりとしてて何かを、何かをつかもうとしているみたいで。
 
新鮮って気持ち。
 
自分の開かずの扉がひとつ開いた気がしたんだよ。
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