喫茶冬景色
彼女って言葉や
 
好きって事が凄く
 
重くて、
 
グルグルしてて
 
見たこともない異世界の入り口に一人でいるようで、凄く怖かった。
 
だから、そのときの俺は離れたんだ。
 
あいつらが遊ぶ中、2、3mほど後方にいた。
 
家に帰ってもその日のことをずっと考えててね。
 
その日の彼女の姿を思い出しては顔を赤らめてたんだ。
 
でもさ、どれだけ思い出しても俺は彼女避けてる感じでね。
 
そんな姿が、彼女を嫌うエリザベスの姿とかぶって自分が嫌になったな。
 
たった2、3m後ろにいただけなのにさ。
 
その距離って奴は実は、一番の天敵で。
 
恥ずかしいとか何とか自分に言い訳してた。
 
俺も、エリザベスのように彼女を見限ってしまうのだろうか?
 
同情で手を差し伸べただけの偽善者だったのだろうか。
 
楽しそうに笑う鈴木の姿が、なんだか胸に刺さる。
 
どうして離れたんだろう?
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