喫茶冬景色
「もう本当にしつこいわねぇ。目障りよ。一日くらいなら落ち込んでてもいいけど、3日も経ってるのよ?いい加減忘れるでしょ?普通。」
 
そんな声も女性陣から聞こえてきた。
 
多分、エリザベスがこの男目障りだと周囲に理解してほしくて大声で話していたんだろう。
 
女はみんなこうなのかな?
 
最悪だ。
 
やっぱり、俺、エリザベス嫌いだ。
 
「あの子、美人だしさ、成績もいいし。俺なんかじゃ釣り合わないのは知ってるけど、でも。」
 
「・・・。」
 
気持はわからなくもない。
 
だけど、エリザベスが本当にいい子ならあんな風には言わないよ。
 
多分、新垣も感じているんだ。
 
━━もう苦しさと、
 
 切なさとうれしさと
 
   いろんな交じり合った
 
  感情がないってことを。
 
むしろ残っているのは
 
       辛さだけだろ?━━
 
でもさ、違うんだよ。
 
気持が辛いから思うのは止めようってのとは違うんだ。
 
それを俺が理解したのはもっと後だったな。
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