喫茶冬景色
そう言った私の言葉に妻はひどくがっかりした顔を見せた。
 
反対だったな。
 
本当に。
 
でもね、毎日毎日大切そうにしている彼女を見ていると本当に自分が小さな子どもだった思えてきてね。
 
私も受け入れようと思うようになっていったんだよ。
 
明弘君?
 
「…そんなものなんですか?」
 
「母は強…かな。あの時はさすがにそう思ったね。」
 
ほら、プラスに考えれば、少なくても半分は大好きな女性の半身なわけだからね。
 
受け入れてもいいかなって。
 
反対しても彼女は生む気だったからどうせなら私も受け入れた方が得だろ?
 
「マスターってすごいですね。」
 
「ふふふ、明弘君。女性の頑固さに勝てる男はなかなかいないよ。」
 
「そんなものなんですか?」
 
「そんなもんさ。」
 
「でも、よかったですね。」
 
「何がだい?」
 
「マスターの子どもだったんでしょ?」
 
「戸籍上…はね。」
 
「え?」
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