喫茶冬景色
「明弘君?」
 
道を行こうとする俺に後ろから声がかかる。
 
「マスター?」
 
「君にはきっと、今日素敵な春がやってくるよ。保証する。」
 
「雪解けだからですか?」
 
「いや、勘だよ。」
 
「そうですか。」
 
「いつもの場所ってやつにね?」
 
「永遠の恋は男だけのものなんでしょ?」
 
「そうだね。」
 
「そのうちにまた来ますね。じゃ。」
 
「じゃあ、またね!」
 
 
――雅美、 
 
  成長したね。
 
   母さんそっくりだったよ。――
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