あのゴールまで〜はじまり〜
私はとにかく急いだ。
だってここ・・・
先輩の号館だし!
先輩しかいないし!
あ~怖い・・・
「あ~もしかして一年生???」
わ・・・
三人の男の先輩!
怖いって思った瞬間はなしかけられるなんて・・!!
ちょっと運が悪いよ
「はっはい!」
「なんで三年の号館にいるの?」
笑ってるのか怒ってるのか分からない表情。
「ええっと・・
りっ・・・理科室に用がありまして!」
噛んだ。恥ずかしい・・・。笑われたらどうしよ・・・
「キミ可愛いね。噛んじゃってさ。緊張してんの?
名前なんていうの?」
なんでここまで絡んでくるんだろ。
なんで名前まで聞いてくるんだろ。
いい加減に行かせてよ・・・。
心の中でそう思った。
「立石望です。可愛くないです・・・。」
たぶん今、私の表情すっごいムっとしてると思う。
「へ~のぞみちゃんね。
覚えとくね」
覚えなくてもいいのに・・・
先輩は『またね~』なんていいながらどこかに行った。
それから何度かまた話し掛けられたけど・・・
なんとか理科室に辿り着いた。