あのゴールまで〜はじまり〜
亜美那先輩と句実先輩がこちらに歩いて来る。
二人で肩を抱きながら。
二人の目には涙であふれている。
「望ちゃんっ、ごめんねっ、本当にっ、ごめんね〜」
亜美那先輩が途切れ途切れに話す。
私は大きく首をふる。
「亜美那先輩っ・・・気にしないでっ、下さいっ。」
私も途切れ途切れになってしまった。
そこへ奈美と麻木先生がやってきた。
奈美は俯いている。
泣いて、座り込んでいる私達に合わせ、先生もしゃがむ。
「確かに、バトンを落とした、2走、3走が悪い。
立石は戦えてた。
全然負けてなかった。
おまえら先輩達がミスってどうすんだよ。
1走と4走の一年の頑張りを潰すな」
先輩達はまた途切れ途切れに謝っている。
先生・・・酷いよ・・・。
頑張ってた先輩達を怒るなんてさ・・・。