あのゴールまで〜はじまり〜
「なぁ・・・立石。
一緒に・・・いかねぇか」
松崎くんはそう言った。
「え・・?」
まさか・・・待っててくれた?
「陸上部・・・行くっていってたよな」
私を軽く見下ろす。
私は見上げる。
「ほら・・・一人で遅刻みたいなさ・・・やだろ?」
そしてちょっと笑ってくれた。
思わず心臓が跳ねた。
跳ねたついでに言葉がでた。
「私の・・ため?」
聞いてみた。
ちょっと沈黙。
松崎くんは軽く頭をかく。
「あぁ・・うん、
それもある。
俺も一人で遅刻するの嫌だったけどな。」
そういうことね。
「そっか」
軽くショック。
自分のためでもあったのか。
そりゃあそうだよね。
ほぼ初対面なのにそんな・・・
初対面の人にそこまで優しくしないよね。
私の悪い癖。
妄想激しいとことか。全部自分中心に考えちゃうこと。
直さなきゃ・・・自分が損だよ。
いっつも傷ついてばっかになっちゃうよね。