あのゴールまで〜はじまり〜
次は115。
私は一回目は腰にバーがあたって跳べなかった。
二回目にもっと踏み切りを強くしたら跳べた。
松崎はなんとも『余裕です』という顔で跳んで見せた。
津久野は3回目で跳べた。
115を跳べた人は私を含め5人。
女子は私一人だ。
「次は120だーっ。」
麻木先生が叫ぶ。
「いきまーっす・・・」
私はなるべく速く走り、左足を地面に叩きつけるように踏み切った。
足がバーにあたった。
バーは落ちた。
「あ~・・・」
何故か本当の大会のような雰囲気に包まれる。
仮入部なのに。
120なのに。
はさみ跳びなのに。