あのゴールまで〜はじまり〜
二回目でも私はダメで。
三回目で本当の『マジ』になった。
「いきまーっす!」
さっきよりも大きい声で叫んでみた。
バーは足のかかとに触れた。
バーはゆれる。
数秒間待つ。
落ちない。
・・・・・・
「はいっOK」
麻木先生は軽く言ったけど私にとってはけっこう嬉しい。
心の中でガッツポーズをした。
次は松崎流星。
松崎流星はまた一回目でどこにも触れず跳んだ。
バーは揺れもしない。
思わず拍手が起こる。
津久野はここで脱落してしまった。
残り3人。
この中で女子一人残ってしまうなんて私高跳びの才能がある?
なんて自惚れてみた。
そんな自分を心の中で『あほか』とツッコむ。