Your happiness is my happiness
「はぁー…」
俺は、窓の外を見つめた。
ひじをつき顔を乗っけながら、ため息をつく。
つまんない。
今、修学旅行の班会議をしている。
机を4つ集め、俺と直輝、沙彩と莉子で。
「ねぇ。英斗くんはどこいきたい?」
「ぅおっ!びっくりした~」
外を見つめていると、急に俺の視界に沙彩の顔が飛び込んできた。
ひょこっと顔を出したのだ。
…ほんと、ブリっ子。
「どこでもいーよ」
俺はそう言いながら反対側に向き直った。
そこには、ちゃんと話し合いをしている直輝と莉子。
直輝は【沖縄おすすめスポット!】と書かれている本を片手に。
沖縄かぁ…。
俺の頭には、美久と沖縄にいっている映像が浮かんだ。
「え~。つまんないじゃーん」
しかし、沙彩の声ですぐ映像は消えた。
「英斗」
嬉しくなる声が聞こえ、俺は振り返った。
そこには美久が立っていた。
「これ、ありがと。今渡さないと忘れちゃうと思って」
宿題の数学のノートを美久から受け取る。
美久を見た瞬間。
俺の機嫌は良くなってしまった。
「まだ、大丈夫だったのに」
「ううん。もう写したから。んじゃね」
小さく手を振って自分の席に戻って行った。