Your happiness is my happiness
ひとの気持ちを無かったことにするのは、俺の勝手だろう。
俺を好きになってくれたのは嬉しい。
…けど。
俺は美久だけだから、沙彩の気持ちには答えられないなぁ。
めっちゃ複雑。
「沙彩と英斗。このバスに乗って行くぞ」
直輝が指を差した。
ちょうど目的地の水族館行きのバスがバス停に到着。
「うんっ!」
沙彩はルンルンのスキップでバスに乗り込んだ。
一番後ろの席がガラ空き。
ラッキー!
決まって俺の隣は沙彩が座った。
俺は外の眺めに夢中になってしまった。
だって…
バスに揺られていると、綺麗な青の海が見えてきたんだ。
すげぇーな…
ここまで青いなんて思ってなかった。
「キレイだね~」
「だな」
隣で沙彩も覗いてきた。
俺のムカつきは、この海を見た途端忘れてしまったみたいだな。