Your happiness is my happiness
「何がって…今日で、朝ふたりで登校してから12年だよ。だって、小1んときからじゃん?」
「そーだねっ!!いつもいつもありがと~だねっ」
-----今から12年前の小学1年生のころ。
放課後に美久を連れだし、直輝と花恋と遊びに行った。
日が暮れるまで鬼ごっこ。
すると、美久のお父さんは厳しいみたいで…
お父さんが迎えに来て美久を勢いよく怒鳴ったんだ。
「こんな時間に一人になったら危ないじゃないか!?」
って。
泣きじゃくる美久を見て…
俺は思わず。
「俺が悪かったんです。俺が連れだしたから…すいませんでした。明日から、朝も帰りも美久を一人にしないから…許して下さい」
と、頭を下げた。
夕暮れの街の神社で、俺の声が響いていた。
………どっかのドラマみたいだなぁ。
そして、今日から高校3年。
「英斗っ。見て?桜満開だよー!」
学校の桜は、今まさに満開でゆさゆさと揺れている。
そんな桜を指差し喜んでいる。
春風が吹き、桜の木と一緒に美久のさらさらな髪が揺れた…。
そんな君に
俺は見とれてしまって、“好き”があふれる。
…俺が美久に恋してから
12年が経った。
12年が経った今でも、美久だけが好きだ。
美久が初恋だったんだ…。