Your happiness is my happiness
「えー、これから体育館で始業式をし。そのあと修学旅行の班を…あ」
先生が説明をしながら、目だけが教室の後ろに向けられた。
『あ』の言葉と共に。
何かと思い、首だけ回し後ろを向いた。
「あ」
俺もそれだけ声に出てしまった。
のうのうと教室に入ってきた奴がいる。
大あくびをかいて。
「あ、遅刻ね~。時間過ぎてるから」
そんな先生の言葉も無視。
その耳には、歩くたんびに反射して光るシルバーピアスがじゃらじゃら。
今日も髪型もバッチリで。
「はぁ~…」
俺は溜め息をつきながら、前に向き直る。
あんなのが俺の幼なじみ。
五十嵐竜也。
ただのチャラ男だろ。
あいつも同じクラスだったんだな…
なんか、すげぇークラスじゃん。
「では、体育館に移動してください」
また先生の指示で動き出す。