赤い狼 参
「どうした!?どうした、稚春ちゃん!!顔が破滅的にヤバい顔になってるぞ!」
銀が焦って私の所まで走ってきて、私の顔を両手で隠した。
…破滅的にヤバいって…
いや、変顔してるから当たり前なんだけど、なんか…いざ、言われると結構なダメージだ。
「しょんなにヤバい?」
変顔しているから上手くは喋れないけど、きっと銀なら私の言いたい事を分かってくれるだろう。
「あぁ。かなりヤバい。マジでやべぇ。夢に出てきそうだ。
やっべぇ。つぅーか取り敢えず稚春ちゃんはその破滅的にヤバい顔を止めろ。
とにかくヤベェから。」
"ヤバい"って言い過ぎだよね。
今の台詞の中で5回出てきたからね。
そんなに私の顔はヤバいのか。
ムスーとしながら変顔を止める。
すると、もっとムカつく言葉があり得ない人から飛び出してきた。
「まぁ、変な顔してなくてもしてても、あんまり変わらないけどねぇ~。」
おいこら。なんつった。
ん?塚、今語尾伸びてたよね。
いや、信じたくないけど伸びてたよね。
まさかの展開だよね。
恐る恐る声のした方を向くと…―――