赤い狼 参





フーフー!と興奮しながら隼人に威嚇する私に連が




「まぁ、アイツはいつもあんなんだから。しょーがねぇよ。稚春、一緒に頑張ろうな。」




なんとも大人な意見をメチャクチャ悩殺スマイルで言ってきた。





ずっきゅーん!



お姉さん、キュン死にです。




あぁもう本当。



連が天使に見える。大魔王隼人が近くに居ると尚更。




連の悩殺スマイルにやられた私は、二つ返事で答えて、また部屋の片付けに専念する事にした。




もう!連が隣に居たら私、どんな辛い事でも乗り越えられそうな気がする!



なんて、単純な私はそう思いながら楽しく掃除をしていたのに…





「うお、やっべぇ。カッコぃぃな。」





何処かの阿呆のお陰で集中出来ない。




チラッと横目で盗み見してみれば…




ソファーに寝そべってバイクの雑誌を見ている総長様が。





…あぁ、今すぐあの雑誌を引っこ抜いてビリビリに破いて燃やしてしまいたい。



でも我慢だ、我慢。




耐えるのよ、稚春。



拳をギュッと握りしめる。



そして、ほうきでまた床を掃く動作を開始させる。






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