赤い狼 参
腕を組みながら稚春を見ると
えっと…。
と言葉を濁していた。
「言えねぇ事なのか?」
「いや、そういう訳じゃないよ。でも…」
すかさず質問すると稚春は両人差し指の先を合わせだした。
あぁ、そういう事か。
「もう棗には怒らねぇし、喧嘩もしねぇよ。」
こういう事だろ?と稚春に目で問い掛けると稚春は、本当?と上目遣いで首を傾げてきた。
…っ、
いや、マジでやべぇから。
つぅーか、それ…この前銀に教えてもらってた技じゃねぇか。
銀はまだまだだな。特訓が必要だ。
とか言ってたけど、十分殺傷能力あんじゃねぇか。
つぅーか、余計な事教えんなよな、銀!
俺は必死で耐えた。
色んな事を。
「で、何で棗のスウェット着てたんだよ。あと何で下、履いてなかったんだ。」
「えっと…私の服は持って無かったから棗のを借りてね…?そしたらブカブカだったから下は脱いだの。」
この台詞を聞いて失神しそうになった。
そんなん…
誰だって我慢効かなくなるっての!