赤い狼 参






「祐…もしかして…本当に!?」




マジか!と目を見開く私に、祐は




「いや、付き合ってねぇから!ヤってしまった事はあるけど!」




焦り過ぎて爆弾発言を投下した。




おいコラ、お前、今何つった。



軽蔑したように、祐を見る。




「…。」



「や、違うくて!って、あぁあぁああぁあ!ごめん!稚春、そんな冷てぇ目で見ないでくれ!」




時、既に遅し。




祐は絶対そんな事しないと思ってたのに。




へぇ。やっぱり、祐もそういう人だったって訳だ。




焦ってまだ何かを一生懸命言っている祐をこれでもかというぐらい冷たい目で見つめる。





「…、ごめん。稚春。今はその人の家に住んでねぇし、一人で暮らしてっから。」




手を顔の前で合わせて謝ってくる祐にまだ冷たい目を向ける。


でも、


なぁ?だから許してくれ。


と耳元で囁かれたら、許すしかなくなる。





「…分かったよ。でも、その女の人に謝っとかなきゃよ。」



軽く睨むと、祐は



「…あぁ。でも、あっちから誘ってきたんだけどな。」



と眉をハの字にして自分の頭をポリポリと掻いた。






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