赤い狼 参






「…。」




それに乗ってしまった祐もおかしいけど、誘ったその女の人もおかしいよね。



…絶対、こんな大人にはなりたくない。




稚春、そう固く決意した瞬間だった。




「…まぁ、ぃぃや。塚、祐ちゃんとご飯食べてるの?細くない?」




大丈夫なの?


と祐の顔を覗けば、祐は


大丈夫だよ。心配し過ぎ。


と微笑む。




本当に大丈夫なのだろうか…




体が大きくなってるんだから、肉付きも良くなってる筈なのに、祐が出ていったあの頃よりも祐が細く感じるのって重症じゃないのだろうか。




私の目がおかしいのか?




いや、そんな筈は無い。



明らかに、細い。





…と、マジマジと祐の体を見ていると祐が



「いや…、あの…稚春、見すぎだから。さすがに兄弟でもそんだけ見つめられると恥ずかしいからな。」



少し頬を赤らめてこっちを見ていた。





…塚、さっきから思ってたんだけど…







「また、カッコ良くなった?」








そう、顔が整い過ぎてる。




いや、隼人達とか、龍達も整い過ぎてるけど。



私の顔がとてつもなく貧相に見えるから、アイツ等と並んで歩きたくなくなるぐらいだけど。



本当、神様って居ないんじゃないのかって思うよ。




世の中、不公平だ。





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