赤い狼 参
「連~、退いて…グェッ。」
なかなか退こうとしない連の肩を一生懸命押していると突然、ドシッと私の体に重みが掛かった。
「嫌がらせですか、連。」
冷静に連に問い掛ける…が、
「…。」
反応が全くない。
馬鹿にしてんのか。
「ちょ、連!ぃぃ加減にしないと怒るよ!」
さすがに連の無視に頭にきた私は連の背中をバシバシと叩く。
「…。」
でも反応はない。
…そんなに私を苛めたいのかな、連は。
はぁー。とため息をついて一つの予想が浮かぶ。
…こいつ…
まさかと思いながら耳を澄ましてみると
「…スー、スー…zzZZ」
やっぱり、寝ていやがった。
「この状況で普通寝る!?」
あり得ない状況に大きな声で叫ぶ。
でも連は爆睡しているらしく、起きない。
…って事は私はずっとこの状態って事?
…えぇええぇ。
思わずこめかみを押さえる。
マジですか。
一瞬、"何がなんでも起こす"という考えが浮かんだけどそれは止めといた。
だって、そんなに気持ち良さそうな顔をされたら…ねぇ?