赤い狼 参





「起こせる訳無いじゃん。」




ポツリ、そう呟くと連が


ん~っ。


唸った。




――ビクッ――



突然反応をした連に少し驚く。


けど、もしかして起こしたかもしれないと心配になって連の顔を無理やり覗く。




「……zzZZ」




…ややこしいわ!



寝ている連をベシッと叩く。



ビックリしたじゃん。馬鹿。




はぁ、とため息をついて全身の力を抜く。



これじゃぁ駄目だ。


いくら退かそうと思っても退かせないし。




そうやって天井をボーと見ていると





「連~、帰ってきたぞ~。」





少し上機嫌な大人の男の人の声が聞こえた。




…ん!?


誰か来た!?




気のせいか?と思っていると、トントントン、と階段を登る音が聞こえる。



さすがに、これは気のせいじゃないと気付いた私は、連の肩を激しく揺らす。



「連、連!起きて!誰か来たよ!」



今の状態を見られたら困る。




なにせ、私の上に連が完全に体重を掛けて乗っかってるんだから。





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