赤い狼 参
それから、俺は変わる為に努力した。
女遊びを止めて、真面目に働いた。
そして、俺は変われた。
でも…
連の女嫌いが治る事は決してなかった。
連を女嫌いにさせたのは俺のせいだ。
俺が、女遊びをしていなかったらこんな事にはなっていなかっただろう。
昔より会話が増えて、一緒に食事をするようになった今も、それだけが心残りで。
それが俺の胸を苦しめていた。
そして、ある日。
連が男友達を家に連れてきた。
それが、俺には凄く嬉しかった。
連が、俺に男友達を紹介してくれた事が。
家に連れて来れるような大切な友達を持ったんだな、と思うと涙が出てきて。
思いっきり力を込めてその友達に抱きついてしまった。
そこで、俺は頼んだんだ。
この男友達なら、連を変えてくれるかもしれないって思ったから。
"連の女嫌いを治してやってほしい"と。
連はそんな事、望んでいなかったかもしれない。
でも、恋を出来ないなんて悲しい。
連には苦労させた分、幸せになってほしい。