赤い狼 参





「ぃぃよ。塚、私は二人の為に作ったものなんだけどね。」




こめかみを押さえながら連にそう告げると連はパアァと嬉しそうに笑う。




「やったぁ!稚春、好きだーーーー!」



「うん。私も好き。」



連の反応が可愛くてフフッと笑うと和宏さんが


俺の事は?


と間髪入れずに聞いてきた。



その答えは勿論、



「好きですよ。」



「稚春!」



「はははっ、そうか。嬉しいな。俺も稚春ちゃんの事、好きだよ。」



「…?ありがとうございます。」




和宏さんに好きです、と言っただけなのに連に怒鳴られたのは何でだろう。



ん?と首を傾げると和宏さんが


気にするな。


と私の耳元で言って、ニコリと笑った。




「?」




和宏さんの言葉につい、


はい。


と返事をしたけど、何で怒っていたのか分からない。



…ま、いっか。




「じゃぁ食べますか。」




そう言いながらニコニコと笑う和宏さんを見て、ふと思う。



…連を本当に大事にしてるんだなぁ~。






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