赤い狼 参
ブルブルッと体を震わせる。
これは逆らわない方が身のためだ。
塚、拓磨なら逃げた私を捕まえる為に高級車いっぱい連れてきそう。
高級車に挟まれた私を想像する。
…なんとまぁ、恐怖の二文字しか浮かばない。
はぁ。と深くため息をついて私は大人しく《VENUS》に行く準備をする事にして、重たい体を持ち上げた。
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「お~、稚春。お久~。」
チャラい。
久しぶりに見たけど、チャラさが増している気がする。
「朋さん、お久しぶりです。」
ペコリ、お辞儀をする。
「お久~。はい、乗れ乗れ。」
そう言って助手席をポンポンと叩く朋さんの言葉通りに助手席に座る。
「稚春、暫く見ねぇ間に綺麗になった?」
「えっ!?」
突然の言葉にビックリして弘さんに勢いよく振り返ると朋さんは私の顔をまじまじと見つめていた。