赤い狼 参






「まぁ、分かった。でも、《SINE》の奴等が居たじゃねぇか。あれはどういう事だよ。」




再び、祐の顔が険しくなる。




「それも、深い訳があるんですけど…」



「何だよ?」



「怒って迎えに来たんだよね…。隼人達。何でかは分かんないんだけど。」




本当に、何で隼人が怒ってるのかイマイチ分からない。




月曜日は夕方から《SINE》に行ってるんだから、今日も夕方から行くつもりだったし。



連絡だって、朝と昼の間だったんだから、しなくてもぃぃ筈。




だから、隼人が怒ってる理由が全く分からない。




ん?もしかして、昨日貰った指輪、置いてきたから怒っちゃったとか!?




慌てて、右手の薬指を見る。





…何だ、付いてるじゃん。




あれ?じゃぁ、何で怒ってるのかが益々分からなくなってきたんだけど。




グルグルと頭を回転させていると



「…稚春、その指輪、何だ?」



祐が私の右手の薬指に付いている指輪を凄い目付きで睨んでいた。





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