赤い狼 参
「え?これ?隼人に昨日貰ったんだよね。なんか、隼人の彼女になったらしいんだよ、私。」
本当、強引だよねー。
と言いながら祐に笑い掛ける。
でも、祐はいっこも笑って無かった。
むしろ、無表情と言ってもぃぃ程。
「え?祐?顔が怖いよ?」
おーい。と祐の目の前で手を振るけど、祐の反応は無し。
…どうしたんだろう…。
だんだんと心配になってきて祐の頬をペチペチと叩いてみた。
すると、
「あ、気付いた?」
何とか気付いてくれた。
でも、直ぐに事件は起こった。
祐はそのままソファーから立ち上がったと思いきや、部屋のドアに向かって歩き出したのだ。
え?
「祐、何処行くの?」
疑問に思って尋ねると…
「アイツ……ぶっ殺す。」
本当に祐の口から出たんだろうかと疑うような単語が私の耳を通った。