赤い狼 参






本当は、結婚なんてしたくない。




私だって、自分が好きになった人と恋愛して、デートしたりして、愛を囁きあったりして、そして、いつかその人と結婚して。



そんな当たり前の事、したい。



《SINE》の皆や、《VENUS》の皆とももっと一緒に居たい。




まだ、やりたい事はいっぱいある。






嫌だ。嫌だよ…。





でも、その話を引き受けたのは、私。




それを断る事も出来たのに、断らなかったのは、私。




だって…




私、あの家の重荷なんでしょ?



いらない子なんでしょ?




邪魔者なんでしょ?





本当は祐が家に居て欲しかったんでしょ?




でも、祐が何処かに行っちゃったから。




だから、仕方なく、私をあの家に繋いでるのは、分かってる。






邪魔者は、いらない子は、早く姿を消してあげる。




でも、最後まで邪魔者や、重荷扱いなんてされたくないから。




最後はあなた達の役に立つわ。




うぅん、立ってあげる。




"あぁ、あの子も少しは役に立ったわね。"




そう思われてもぃぃ。



少しでも、必要とされるなら。



それで…。








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