赤い狼 参
フフフッと笑いが込み上げてきた。
いや、だってさ、出番なくていじけてる拓磨を想像しみてよ!
可愛くない?
両手の人差し指の先をチョンチョンするんだよ?
ぎゃー!ウーケーるー!!!!
「ぷぷぷぷっ。」
「しばき殺すぞ。」
一人で可愛ぃ拓磨を想像して笑っていると、拓磨が私の首の後ろを掴んでる手の力を強くした。
それによって、ギリリと私の首に拓磨の爪が食い込む。
「いででででで!?何で何で!?」
拓磨に何か悪い事したか!?と動きにくい首を名一杯後ろに動かす。
「全部聞こえてんだよ。」
すると、私が完全に首を後ろに向ける前に拓磨はその低い声で私に言い放った。
わぉ。
マジか。
おかしいな、聞こえる筈なんてないのに。
私は、心の中で言っていた筈だ。
それなのに全部聞こえてた、なんて……まるで…
「エ、エスパーじゃないか!」
クワッと目を見開く。
まさか。まさかの事態だ。
拓磨がエスパーだったなんて。