赤い狼 参





ぎゃー!凄い!とはしゃいで手をパチパチと叩く私。



そんな私を見て、いつも優しい鳳陽が一言。




「俺、稚春を病院に連れてってくる…。」




え。何で?



何でそうなる。



塚、何で皆驚かないの!?


今までずっと一緒に過ごしてきた人がエスパーだったんだよ!?



まさか。皆はもう知っていたとか!?




えぇ、そうなのか!?




と部屋に居る皆を見渡す。




すると



「稚春、落ち着かんかいな。」



いつも一番落ち着いてない龍に注意されてしまった。




なんたる不覚。



稚春、一生の恥でございます。



龍に言われたら、おしまいだ。


龍に注意されるぐらいだから、私は相当煩かったんだろう。



よし、ひとまず落ち着こう。




スウーと大きく空気を吸う。




「はぁっ!」



「お前は深呼吸も大人しく出来ねぇのか。」




勢いよく空気を吐き出した私に、すかさず拓磨がツッコミを入れてきた。



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