赤い狼 参
グググと拳を握り締める。
でも、今までされている事があるから下手に言ったり手を出したり出来ない。
くうっ!悔しいぜ!
これ以上怖くて痛い思いをするのが嫌な私は、大人しくしておく事にした。
でも、優魔は許せないという事で…
優魔をそのままひと睨みして、拓磨の話を聞くことに専念する事にした。
「はぁ…。じゃぁ、だいぶずれた話を戻して…」
めちゃくちゃ深くて長いため息を、そこまでしなくても。という程大きくついた拓磨。
…はいはい、私が全部悪いんでしょうよ。
ジトーと目を細くさせて、誰を見るでもなく、その辺を見つめる。
塚、今の私のこの状況、おかしくないか?
「って事で、ペナルティだ。」
「へ!?」
ボーと今の私と拓磨の状態のおかしさについて考えていたら、首への圧迫感がスッと消えた。
…と思ったら視界がグルリと回転して、肩をガシッと掴まれる。
え!?また、肩を握り潰す気!?
私は焦って本日二度目の肩への負担は絶対に避けたい、と肩にググッと力を入れる。