赤い狼 参
「稚春、結構力あんだな。」
拓磨がへぇ~、意外。と呟く。
えぇ、力には結構自信があるものでして。
ふふんと得意気な顔をする。
「まぁ、そんな事はどうでもぃぃんだよ。稚春、来週の土日空けとけよ。」
どうでもぃぃとは失敬な。そして、私のどや顔を無視するとかぃぃ根性してるな。
塚、何で来週の土日の予定を空けとかなくちゃいけないんだ。
拓磨にツッコみたい事が沢山ありすぎる。
どれから言おうか…。
と少しだけ考えるが、多分これが一番まともだろう。
「来週、何かあるの?」
「秘密。」
そうだった。拓磨が簡単に答えてくれる訳なんてなかった。
素直に疑問を口にした私を自分で憐れに思う。
まぁ、この様子だと来週の土日が来るまで教えてくれなさそうだし…
「分かった。」
ここは、拓磨の言う通りにしておこう。さっき、キレ気味だったしね。