赤い狼 参
「…。」
「…。」
し、視線が突き刺さる。
すんなりと承諾した私を拓磨は怪しいと思ったのか、ジーと見つめてくる。
「稚春、何か企んでるのか?」
「ぃぃえ、素直に答えております。」
即答した私を、まだ怪しいと疑ってくる拓磨。
そんなに私を信じてくれないのか。
なんか私、悲しくなってきたよ。
未だに怖い目で見つめてくる拓磨に、何故だか心が折れそうになる。
すると、そんな私に拓磨はとどめの一言を食らわした。
「ま、稚春が何しても捕まえてやるけどな。」
おぉ怖い。
しかも、そんなマジな目で言わなくても。
ちーん。という効果音が出そうな程落ち込む私。
すると、何を思い出したのか今までソファーに座って一部始終を見ていた朋さんが急に立ち上った。
そして一言。
「稚春、元気出せ。」
本当に一言言い残して、部屋を出ていってしまった。
…何だったんだ…。
いきなりの意味不明な朋さんの行動に口をポカンと開けて固まる。