赤い狼 参
:事件
「あり得ない…。」
そう言ってこめかみを押さえるのは、他の誰でもない、この私。白兎稚春です。
今日は色んな事がありすぎだ。
私の心と頭が追い付かない。
うーん。と唸る。
何があり得ないかというと…―――
今日一日の出来事だ。
―――――――――――
――――――――
―――
今日は、久しぶりに学校に居る。
隣では、実と香がキャーキャーとはしゃいでいて。
「煩い。」
それを不快に思って二人に言うが勿論、この二人が私の言葉を聞く訳がなく。
「黒澤学園の青木くんってカッコぃぃと思わない!?」
「思う思う~。カッコぃぃよねぇ~。でも、佐和くんもカッコぃぃと思うよ~。」
「あー…、佐和くんは白王子で、青木くんが黒王子って感じだよねぇ。」
相変わらずgirlsトークに夢中だ。
そして、
「「稚春はどっちが好み?」」
私の一番苦手な質問が今回も振られてきた。