赤い狼 参
「で、どうしたの?」
「なんか、青木 学!?が来るって言われたんだけど!!」
何で!?と実と香を見ると、二人は同時に目を見開いた。
「ちょっ、いつよ。それ!!」
「え、さっきだよ!!」
「違うわよ。いつ青木くんが来るのか聞いてるのよ!!」
「えぇっ。今日の昼休みに来るって言ってたよ。」
「きゃ~、青木くんを生で見れる~。」
一気にテンションが上がった二人に圧されて、さっきまで慌てていた私のテンションが逆に下がる。
「早く来ないかなぁ~?」
「青木くんだけなの!?佐和くんは!?」
「え、名前を聞いたのは青木くんだけだけど。」
「佐和くんは来ないのか~。」
「何で佐和くんも来ないのよ!」
もう完全に二人の迫力に圧されている私。
そんなの私に言われたって困ります…。
そんな事を思いながら二人を交互に見ていると
――キーンコーン…――
授業開始のチャイムが鳴ってしまった。