赤い狼 参
「でも。」
「…ん?」
「稚春は、いらない子なんかじゃねぇ。俺が保証してやる。
…俺には、お前が…稚春が必要だ。ぜってぇこれだけは違わねぇ。」
より一層、抱き締める力を強くする祐。
それに負けじと、私も抱き締める力を強くする。
「うんっ。」
「稚春、好きだよ。」
「うんっ。って………ぅえっ!?」
「ハハッ。何だ、"ぅえっ"って。色気ねぇなぁ。」
いやいやいやいや。
色気ねぇなぁじゃありませんよ。
あなた今、何て言いました?
"好き"?
why?
………はぁ!?
「すすすすすすす好きって、妹としてでしょ?」
「いや、違ぇ。女として好きって意味。」
「おおおお女!?」
「あぁ、女。何、お前、男なのか?」
な訳ねぇだろ。
男だったら怖いよ。
私が男だったら祐、今さっき言った事訂正しなくちゃいけなくなるよ。
「で、でも、私達、兄妹だし…。」
「関係ねぇだろ?現に、稚春は俺の事好きだったんだろ?
じゃぁ、ぃぃじゃねぇか。まぁ…俺は今も、昔も、稚春の事、好きだけどな。」