赤い狼 参
おずおずと学の顔を上目遣いで見ると、学は右の口の端を上げる。
キザな表情をする奴だな。
塚、
「これは乗らなくちゃいけない状況?」
「当たり前。」
…やっぱり?
はぁ。
一つ、ため息をつく。
学校サボったりしたら絶対に親にバレる。
それだけは嫌だな。
それに、《SINE》の皆にも心配かけるし…。
ってか、怒られる?
またお前は巻き込まれたのか。って怒られるかな…。
……隼人に。
うーん。どうしよう?
まだその場に突っ立ったまま学の顔を見ている私を見て、学はダルそうに口を開いた。
「学校には稚春がサボった事、誰にもバラさねぇように言ってやるよ。」
「そんな事できるの?」
「楽勝。」
目を丸くさせて驚く私に、学は楽しそうな表情をする。