赤い狼 参





「素直でよろしい。ぃぃ子ぃぃ子。」




学はそんな私を愉快そうに笑って、


「よく捕まっとけよ。」


エンジンをかける。




学の言葉に軽く頷き、ギュッと抱きつくようにして掴まる。



すると、学は



「意外と大胆。」



ボソリ、呟いてバイクを走らせた。





…――風が気持ちぃぃ。



そんな事をぼんやりと思いながら。




私の横を通りすぎていく車をズット見ていた。







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