赤い狼 参
――――――――…
「よし、降りろ。」
そう言ってバイクから降りる学に
「了解」
と呟いてから学と同じようにバイクから降りる。
すると
「意外と稚春って素直だな~。」
と軽く笑いながら学は私が脱いだヘルメットを受けとる。
さっきから意外、意外って言われてる気がする。
塚、私は学に逢ったのは今日が初めてなのに、
学はさっきから私を知ってるような言い方をしているような…。
…私…、学に逢った事、無いよね?
「考え事か?」
ん~?と首を傾げる私に気が付いた学が私に疑問の目を向ける。
「うん…。学って、私と逢った事ある?」
「ねぇよ?」
…あれ、やっぱり?
じゃあ何で私を前から知ってるみたいな言い方なんだろう…。
学に聞いた私の謎は、ますます深まる。