赤い狼 参
ゾクゾクと私の体が反応する。
「耳…弱ぇの?」
私の体の震えに気付いたのか、学がクスッと軽く笑った。
「…弱くない。」
「へぇ?じゃあ何しても平気なわけ?」
「は…。何する気っ…!?」
ニヤッと笑った学に危機は感じた。けど…
ガードが間に合わなかった。
見事、私の両手は学に捕まり、耳に息を吹きかけられた私は耳が弱い為反応してしまった。
恥ずかしい。
「耳、弱ぇんじゃん。強がんなよな。」
「強がってなんか無い。」
「はいはい。もうぃぃって、強がりは。」
「だから強がってなんか無…い…んっ、」
「言えよ、もっと欲しいって。」
なんていう男だ。
コイツの事を一瞬でも優しい奴だと思ったのが間違いだった。
さっきの自分に激しく後悔する。