赤い狼 参
「止め…てってぇ…ぁんっ。」
耳をしつこく攻撃されて体がガクガクと震える。
反応したくないのに、体が反応する。
きっと、これも隼人のせいだ。
隼人が、私に変な事をするから。
私の体が変になってるんだ。
体が反応する理由を考えながら両耳の攻撃に必死に耐える。
「が、くぅ。」
もう止めてほしい。
そういう意味を込めて学の名前を呼ぶとピタリ、耳への刺激が止んだ。
やっと解放してくれるのか。とホッと息をつく。
あーもう。死ぬかと思った。
何だあれは。
ふうっ。と息を軽くついた私はある異変に気が付いた。
学が、固まってる?
「学ー?学?が…くぅ!?」
学の頭をパシパシと。
さっきの仕返しも含めて叩いていると、学が私の肩を凄い勢いで掴んできた。