赤い狼 参
「お、川西(かわにし)。」
学に川西と呼ばれた男を学の視線を追って見つめる。
あ、実が好きそうな顔してる。
髪は金髪で目が大きくて。
でも、何処か静けさがあって。
と、川西さんを見つめていると
「いつまで待たせるんだ。お前、ふざけんじゃねぇ。」
「え、」
まさかの問題発言が飛び出してきた。
川西さん、見た目によらずそんな事を言っちゃう人なのね。
しかも、学に。
「…との事です。」
「司か。ご苦労だったな、川西。」
「いえ。いつもの事なので。」
…どういう事?
全く状況が読めていない私は川西さんと学を交互に見る。
すると、その視線に気付いた学が分かりやすく説明してくれた。
「アイツは俺等のグループの伝達役みてぇなもんだ。でも、俺と司専用のな。」
「司…?」