赤い狼 参
「うわぁ…。派手…。」
その大きな門の色がとにかく派手だった。
ピンク、紫、オレンジ、緑、赤、水色、茶色…
色んな色で塗られている門は、見れば見る程チカチカして。
「うぇっ、」
「あんまり見過ぎると吐き気起こすぞ。」
吐き気を起こす程だった。
…塚、もうちょっと早く言って欲しかった。
それなら吐き気に襲われなくて済んだのに。
目をゴシゴシと擦る私を見ながら学がハッと笑う。
「この門、色んな奴等が好き勝手に塗ったからなぁ…。
まぁ、こんな門もありなんじゃねぇのかな。」
「別に否定はしてないけど、吐き気…。」
「俺がお姫様抱っこして運んであげようか?」
「マジ遠慮。」
それだけは嫌だ。と首を大きく横に振ると学はハハッと笑う。