赤い狼 参





目を丸くして学を見ると学はフフッとどや顔をしてきた。



いや、何でそこでどや顔なの?


もう意味が分からないんだけど。




理解不能だ。と首を横に振っていると





――ギイィイイィ…――





開いた。


門が開いたのだ。




「え…。」



意味が分からない。



何であれで門が開くの?

此所の人達、ちょっと学に甘くない?



あんなのが開けろって意味だったら、私だったらいつまでも開けないでいられる自信があるのに。





そんな事を考えながらジトーと視線を向ける私を無視して

(いや、むしろ視線を向けられている事に気付いてない)私の手をお構い無く引っ張って歩く学。




本当、自由人。




なんて思っていると



「白兎さん。」



「わっ!…って、川西さんか~。」




川西さんが真横に居た。




まず、あなた何処から出てきたの?



そこから疑問なんだけど。





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