赤い狼 参
「え、入らないといけない?」
「入らねぇといけねぇ。」
コクンッ、玲は一回頷くと目の前のドアをゆっくりと開けた。
――キィイイィ…――
さっきの大きい門のような音がする。
「俺も入るか。」
横から、学が私の腰に手を当てる。
普段だったら
離せ。
と殴ってる処だけど、今は司という人の存在が怖いから学の手を祓えなかった。
これが、私のずる賢さだと思う。
自分の都合のぃぃ時だけ。
でも、今は側に誰かが居てほしい。
だって、何か、
胸騒ぎがする。
…―――と、ゆっくりと開いていたドアが完全に
「待ってた、稚春。」
開いた。