赤い狼 参





「何で叩くの!?痛いじゃん!」



「稚春、今日は帰るよ。」



「え?あ、うん。」




見事にスルーされてはらが立ったけど、帰らせてくれるらしいから黙っておく事にした。




「じゃあ、また何かあったら電話して下さい。失礼します。


行くよ、稚春。」



「うん。あ、ねぇねぇ帰ってぃぃの?」




腕を引っ張って歩く玲についていく。


あ、歩くの少し速くない?




「帰らせてぃぃって司さんから電話があった。」



「そうなんだ。…でも私、帰り道分かんないよ?」




ん?と首を傾げる。


今日は首を傾げる回数が多い気がする。



もう、私は頭が悪いんだから分かりやすく話してくれなくちゃ分からないんだって。




「だから俺が送るんだろ。」




はぁあー。と凄く長いため息をついて私を睨む玲。



ううっ、なんかゴメン。




「俺、1から10まで言わないといけないの嫌い。」



「ご、ごめん。」




相変わらず歩くペースが速い玲の後ろを必死でついて歩く。


いや、歩くじゃなく、もはや追い掛けている。





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