赤い狼 参
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「降りて、稚春。」
「はいはい、降りますよ。」
「…轢いて欲しいの?」
「すみませんでした。」
あれから玲は、家までの道を教えてないのにちゃんと家まで送ってくれた。
何で知ってるの、と聞くと玲が
内緒。
って言ってフェロモンを車内にバラ撒いて、私は玲のむんむんフェロモンで窒息死するかと思った。
「じゃあね、稚春。」
「あ、うん。玲、送ってくれてありがとう。」
「フッ、まぁ…また迎えに行くよ。」
「…いつ?」
「さぁね?」
にこやかに笑って私を見た玲。
その爽やかな笑顔が逆に怖いです。
引き攣った笑いを見せると玲が無表情で
ぶっ細工。
と呟いた。
本当、ムカつく。腹が立つ。
「じゃあね、玲。」
さっきの玲の一言が意外と頭にきて、私はさっさと家に入ろうと玲に背中を向ける。
「その前に一つ。」
でも、玲の言葉が私の足を止めた。