赤い狼 参
:理由
それから…
頭の整理がついた私は、祐には告白の返事はせずに、今まで通り、"妹と兄"の関係でいこうという風にした。
祐には悪いけど…
祐には、もっとぃぃ人が現れると思うんだ。
私みたいな駄目な人じゃなくて。
もっと綺麗で、可愛くて、祐の事を誰よりも大切に思ってくれてる人。
祐に、そんな人が現れるとぃぃな。
うぅん。
きっと、いつか出逢うよ。
祐の、運命の人。
そう思いながら目を閉じれば。
祐が
「そろそろ戻るぞ。きっと、皆待ってる。」
おもむろにソファーからダルそうに立ち上がって私に手を差し出した。
「うんっ。」
笑って祐の手をとると、祐は嬉しそうに笑って私の手を引いた。
「アイツ等、稚春に懐いてんな。」
フッ。と目を細めて笑う祐を見て首を傾げる。
「懐く~?懐いてなんか無いよ?ただ、煩いだけ。」
「ハハッ。それを懐いてるっつーんだよ。龍達、あぁ見えて結構女には冷てぇぞ?」
意外だろ?と言いながら目を細める祐は、とても嬉しそう。