赤い狼 参
そして………
今は何故か縄で腰を縛られて逃げられないようにされて……
目の前には、背後に死神を忍ばせた棗が居る。
正直言ってとっても逃げたい。
一目散に逃げたい。
超特急で逃げたい。
でも、逃げられない。
何故ならば…
「逃げられると思わないでね?稚春。」
棗が縄の端を持っているから。
これで逃げたら絶対腰だけでなく身体中に巻かれる。
塚、巻かれるじゃなくて縛られる。
絶対、内臓全部出る程縛られる。
――ブルッ――
…想像してみたら凄く恐くて、凄くグロかった。
何とか逃げられないだろうか。
必死に考えて見るけど…
「逃げようとか考えないでね?」
もう既に無理そうだ。
私の命が危ない。
「考えてないです…。」
取り敢えず、棗の機嫌をとるのが先だ。