赤い狼 参





そして………




今は何故か縄で腰を縛られて逃げられないようにされて……





目の前には、背後に死神を忍ばせた棗が居る。




正直言ってとっても逃げたい。



一目散に逃げたい。


超特急で逃げたい。




でも、逃げられない。




何故ならば…




「逃げられると思わないでね?稚春。」




棗が縄の端を持っているから。



これで逃げたら絶対腰だけでなく身体中に巻かれる。



塚、巻かれるじゃなくて縛られる。



絶対、内臓全部出る程縛られる。




――ブルッ――




…想像してみたら凄く恐くて、凄くグロかった。




何とか逃げられないだろうか。



必死に考えて見るけど…





「逃げようとか考えないでね?」





もう既に無理そうだ。





私の命が危ない。



「考えてないです…。」




取り敢えず、棗の機嫌をとるのが先だ。





< 62 / 410 >

この作品をシェア

pagetop